滋賀・東近江市長のフリースクール発言「配慮に欠けた」 市教委が保護者向け文書で見解

東近江市教委が市立小中学校の保護者に向けて発出した文書

 滋賀県東近江市の小椋正清市長が「フリースクールは国家の根幹を崩しかねない」「不登校になる大半の責任は親にある」などと発言した問題を巡り、同市教委が「学校に行きづらくて苦しんでいる児童生徒や保護者の方に対して配慮に欠けた発言だ」とする文書を市立小中学校の保護者向けに出していたことが24日、分かった。

 文書は20日付で藤田善久教育長名で出され、スマートフォンの連絡帳アプリを活用して保護者向けに通知し、「教育委員会としての認識や見解をお伝えします」としている。

 文書では「(フリースクールは)学校に行きづらい児童生徒の居場所の一翼を担っていただいていると認識しています」「不登校の要因はさまざまであり、責任の所在を問うものではありません」「今後も学校と保護者、関係機関が連携して、子どもの居場所や学びの場を確保することに努めていきます」などと記している。

 市教委には23日までに市長発言に関する問い合わせが33件寄せられた。「不登校の子どもや保護者を蹴落とすようだ」「親として失格と言われた気分だ」などと、不登校の子を持つ親からの意見も含まれ、その多くが批判的な内容だという。

滋賀県東近江市役所

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