大田原・下侍塚古墳で「こも巻き」 地元小中学生ら100人が作業

松守会員らの指導を受け、こも巻きに挑戦する中学生

 【大田原】霜が降り始めるころを指す二十四節気の「霜降(そうこう)」の24日、湯津上の国指定史跡・下侍塚古墳で松の木にわらを巻いて害虫から守る恒例の「こも巻き」が行われ、地元住民や小中学生約100人の手で約90本の冬支度が整った。

 同古墳の墳丘に生えたアカマツは、約330年前に徳川光圀(とくがわみつくに)が発掘調査を命じた際に崩壊を防ぐために植えられたと伝わる。日本古来の害虫駆除法であるこも巻きは冬の風物詩としても親しまれ、地元有志らでつくる「侍塚古墳松守(しょうしゅ)会」が毎年実施している。

 この日は湯津上小児童11人、湯津上中生徒26人も作業に参加。同会員らの指導を受けながら松の幹にこもを巻き付け、その上から稲わらで編んだ縄を結んで固定していった。湯津上中2年飯塚大凱(いいつかたいが)さん(14)は「ひもの縛り方が独特で難しかった。昔の人が古墳を守ろうと知恵を絞っていたことが学べてよかった」と話した。

 同会の平野精一(ひらのせいいち)会長(83)は「若い世代と協力しながら素晴らしい景観を守っていきたい」と目を細めていた。

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