【リニア】「田代ダム案」でJR東海と東京電力の協議まとまり具体的実施案発表

リニア中央新幹線の工事で、静岡県外に流出した水を大井川に戻す方策である「田代ダム案」について、JR東海は東京電力との協議がまとまったことから、具体的な実施案を発表しました。

長年議論が続く大井川の水問題解決に向けて進展です。25日、「田代ダム」を活用した取水抑制策の実施案を発表したJR東海。「田代ダム案」の具体的な実施方法が示されたのは、初めてのことです。

リニア中央新幹線のトンネル工事に伴い、大井川の水量減少が懸念されている問題で、JR東海が解決策として提示しているのが、大井川上流にある「田代ダム」の取水を抑制して、大井川の水量を確保する案です。この「田代ダム案」をめぐっては、6月、JR東海は、ダムを管理する東京電力と実現に向けた協議を開始。9月からは県や流域市町に対し、個別に「田代ダム案」の具体的な運用方法などについて、説明を始めていました。そして25日、JR東海は、東京電力との協議や流域市町などへの説明を経て、「田代ダム」を活用した取水抑制策の具体的な実施案を取りまとめたと発表しました。

25日 示された実施案では、県外に流出した湧水量を測定した後、その流出量と同じ量を田代ダムで取水せず、大井川に戻すことで、水量を確保する実施方法などが示されています。JR東海は今後、この実施案について県と流域市町などで構成される大井川利水関係協議会で了解を得たい考えです。一方、今回の実施案の発表を受けて、流域市町の一つ島田市の染谷市長は…。

(島田市 染谷市長)

「JR東海と東電の協議が成立したと伺って大変嬉しく思っている」「利水関係協議会がいつ開かれるかは分からないが、出来るだけ早くに利水関係者の了解が得られるように期待している」

長年、議論が続く大井川の水問題。今回、初めて具体案が示されたことで水問題解決に向けた大きな一歩となりそうです。

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