「1大学2校」案の正式決定 再度審議へ 大学が役員会で決める 浜松医科大学との統合・再編問題めぐり

静岡大学と浜松医科大学の統合・再編問題をめぐり、静岡大学は10月25日の役員会で「1大学2校」案の正式決定を見送り、学内で説明会を開いたうえで、再び審議する方針を決めたことが関係者への取材で明らかになりました。

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<伊豆田有希記者>
「2大学の統合・再編をめぐり、いま、静岡大学の学長や理事らによる役員会が開かれています」

学内の合意形成に暗雲が立ち込めているようです。

静岡大学と浜松医科大学の統合・再編問題をめぐっては、2つの法人を統合し、静岡地区と浜松地区に新しい大学をつくる「1法人2大学」案で、2019年に合意書を結んでいました。

静岡大学の日詰一幸学長は先週の評議会で、1つの大学に2つの分校を置く「1大学2校」案を浜松キャンパス側などから反対意見がある中でも、静岡大学の正式な再編案として了承を得たとしていました。

<静岡大学 日詰一幸学長>
「最終的には『静岡大学のビジョン』ということで、一応、みなさんがもろ手を挙げて賛成というわけではなかったですけれど、会議としてそれをお認めいただくということになりました」

これを受け、浜松医科大学は静岡大学側に合意書の内容を守るよう文書を送る事態に。文書では「1大学2校」案は、静岡大学浜松キャンパスのみならず、地域の理解を得られないとしています。

静岡大学の学生には10月23日、日詰学長から「1大学2校」案を主張する理由についてメールが送られましたが、学生の反応は冷ややかです。

<2年生>
「私は別に特にかかわりがない話かな」

<3年生>
「1大学の方がありがたいです。サークル活動とかで浜松キャンパスと合同でやることが多いんで、別々の大学だとそれがサークルができなくなっちゃうんで」
「実際、浜キャン(浜松キャンパス)とそんなに関わりがないんで。ちょっと上の空感がありますよね」

関係者によりますと、静岡大学は25日役員会を開き、「1大学2校」案の正式決定を見送り、11月、静岡と浜松の2つのキャンパスで説明会を開いたうえで、12月の役員会で審議することになったということです。

先週の評議会後に学内から説明を求める声が上がり、日詰学長は役員会で決定する前に説明会を開くことにしたとしています。

両大学の統合・再編に向けて、正式決定が先送りされたことで、浜松側とは膠着状態が続くとみられます。

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