岩手県内での発見は初? 千葉以南が生息域の「ハツユキダカラ」

広田湾内で見つかったハツユキダカラ

 岩手県陸前高田市の広田湾内で、房総半島(千葉県)以南が生息域とされる巻き貝「ハツユキダカラ」が生きた状態で見つかった。日本貝類学会員の高橋一成さん(56)=同市米崎町=によると、本県で発見された記録はない。

 エゾイシカゲガイを同湾で養殖する漁業者が9月30日と今月25日、養殖かごの中にいた珍しい貝を数個発見した。大きさは3~4センチ。広田湾漁協の非常勤職員でもある高橋さんが調べたところ、ハツユキダカラと判明した。

 同市の海と貝のミュージアム館長を務めた戸羽親雄(ちかお)さん(故人)が、本県で見られる貝類を紹介した「岩手の海産貝類」(2009年発行)にも未掲載で、高橋さんは「本県での発見は記録にない。しかも生きたままの状態は本当に珍しい」と驚きを隠さない。

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