【防災プロジェクト】北広島町 重機を扱える職員を増やせ

いま動こう、みんなで防災プロジェクト。今回は広島県北広島町で、災害が発生したときの対応力を高めるための取り組みを紹介します。

中国山地の麓に広がる人口およそ1万8000人の北広島町で力を入れているのが、”重機”を使った災害対応。それに備え、操縦の訓練をしているのは、北広島町の職員です。

■北広島町役場 危機管理課主任 竹下靖彦さん

「初めて乗ってから、いま2年が経つんですけど、まだまだ乗れてないですね」

目指すのは、操縦できる人材を増やすことによる”機動力の向上”です。

■ 北広島町役場 野上正宏 危機管理監

「令和3年から実技研修ということで、実際に現場で活動された方に教えてもらいながら、重機の実技研修を年に1回ずつやっています」

町や消防署の職員のほか、地元の消防団員を対象に研修を行っており、現在、操縦できる人は57人。

1年に20人のペースで増えています。

ダンプカーも配備し、遠い場所にも駆けつけられるようにしました。

きっかけは5年前の西日本豪雨の際に受けた土砂撤去の応援要請でした。

■ 北広島町役場 野上正宏 危機管理監

「重機を使って復旧作業をするということで活動したんですが、町内にはそんなものはなかったしオペレーターも少ないということで」

被災地では、最初に手作業で対応しましたが、あまりの土砂の量にとても追いつきませんでした。

すぐに重機が投入されたものの、最大の課題は、扱える人材の確保でした。

■ 北広島町役場 野上正宏 危機管理監

「災害現場って、実際には一輪車とか手作業そういうものが多いと思っていたんですけど、やっぱり重機の力ってすごいなと。それとそういう技術は必要だなと思ったんです」

2021年8月の大雨では町内も大規模な浸水被害を受けており、危機感を持っているといいます。

町の職員の竹下さんは研修だけではなく、仕事の合間にも自主練習に励みます。

■北広島町役場 危機管理課主任 竹下靖彦さん

「操作レバーの微妙なタッチといいますかそういった所が難しいですね」

足場の悪い現場でも対応できるよう難易度が高いとされる段差の乗り降りの技術も習得中です。

■ 北広島町役場 危機管理課主任 竹下靖彦さん

「これが使うような大きな災害が起きなければいいんですけど、そういったことが起きた時にいつでもどこでも災害支援に行けるように技術をどんどん高めていきたいなと思います」

雪深い北広島町では、重機は冬でも活躍します。

大雪に見舞われた去年は除雪にあたりました。

■北広島町役場 危機管理課主任 竹下靖彦さん

「防災への対応は人がたくさんいないとできないことなので、長く災害対応が続くと当然身体もしんどくなってくるので、機械によって人の労力は負担軽減ができると思っています」

北広島町は、技術を磨くために今後も定期的に実技研修を行う予定です。

災害時の早期復旧につなげるため地道な取り組みが続きます。

【2023年10月26日放送】

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