高校生育てたオリジナル豚肉「納品7割は別の豚」 納入業者「チェックミス」で混入 栃木県・道の駅たかねざわで販売の「白楊豚」

「白楊豚」を道の駅たかねざわ元気あっぷむらに納入していた渡清=27日午後、宇都宮市東宿郷5丁目

 栃木県宇都宮市東宿郷5丁目の食肉加工卸「渡清」(渡辺秀夫(わたなべひでお)社長)が、宇都宮白楊高の生徒が育てた「白楊豚」として道の駅たかねざわ元気あっぷむら(高根沢町上柏崎)に納入した豚肉に、白楊豚とは異なる豚肉が混入していたことが27日分かった。道の駅側によると、同社は「納品した1万6800キロの約7割は違う豚だった」「出荷時のチェックミスだった」などと報告した。道の駅側は「白楊豚」表示のある商品全ての販売を19日から中止した。同社に「責任の明確化と賠償を求める」としている。

 道の駅の指定管理者の塚原緑地研究所(千葉市)が27日発表した。混入した豚肉は衛生面、品質面で一般的な食用豚肉という。道の駅では施設内のレストランや直売所、レストハウス、通販サイトで白楊豚を用いた商品を取り扱っていた。

 外部の精肉業者から10月6日、道の駅側に「白楊豚の供給量と(道の駅の)消費量に不整合があるのではないか」との情報があった。道の駅側が渡清に問い合わせ、同7日に混入が発覚した。

 納品、販売は2020年から行っていた。同社は「出荷時のチェックミスで、一部の白楊豚の中に県産熟成豚が混入していた」と道の駅側に説明。「納品したもののうち、約70%が別の豚だった。かつ用ロース肉は85%が別の豚だった」などとも報告した。

 白楊豚は、宇都宮白楊高の生徒が高根沢町内の農場で育てている。流通量は少なく、やわらかくて甘みがあり臭みがない肉質が特長で人気があるという。町のふるさと納税の返礼品にもなっている。

 道の駅側は「混入は精肉業者の独断で行われた」とした上で「表示と異なる商品を提供し、皆さまに多大なご迷惑とご心配をおかけした。心よりおわび申し上げる」などとした。同社に詳細な報告を求めるほか、仕入れ先の変更などを行うという。「白楊豚」表示商品の購入者らへの対応も検討するとしている。

 同社の渡辺社長は下野新聞社の取材に対し「県の調査結果を待っているところ。回答は差し控える」などと話した。県は「事案は把握しているが、個別の案件にはお答えできない」とした。

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