「アユ増殖の助けに」親魚1800匹を放流 茂木の那珂川右岸で

那珂川に放たれる親アユ

 【茂木】那珂川漁業協同組合連合会の3組合と県漁業協同組合連合会、県水産試験場は共同で27日、親アユ250キロを河井の那珂川右岸で放流した。

 遡上(そじょう)したアユを捕獲し育てて採卵した作業で余剰となった親魚を「アユ増殖の助けに」と川に戻した。関係者10人ほどが集まり、水槽から雌雄合わせて約1800匹がふるさとの川に戻った。

 大きさは23~25センチほどもあり、雌は卵を抱えて丸々と太っている。放流した雌の親魚が抱えた卵の数は約9千万粒に上るという。トラックの水槽から次々に浅瀬に放たれた親アユたちは、すぐに流れの中心を目がけて泳いでいった。

 今年の那珂川は春にアユの遡上が特に多く釣果も期待されたが、異常渇水や高温、水質悪化などの要因が重なり成育が悪く不漁となった。集まった関係者は不漁の原因究明と対策を急ぐ必要性を指摘していた。

 県漁連の加賀豊仁(かがとよひと)専務理事(68)は「那珂川の資源増殖に少しでも貢献できれば」と来年の豊漁に期待を込めた。

© 株式会社下野新聞社