「残念」「あり得ない」...白楊豚に一般豚混入 県内関係者、憤りあらわ 信用低下の懸念も

「白楊豚」を道の駅たかねざわ元気あっぷむらに納入していた渡清=27日午後、宇都宮市東宿郷5丁目

 栃木県高根沢町上柏崎の道の駅たかねざわ元気あっぷむらで、一般の食用豚肉が混入した宇都宮白楊高の「白楊豚」表示商品が販売されていたことが明らかになった27日、県内関係者からは憤りや懸念の声が上がった。食肉加工卸の渡清(宇都宮市東宿郷5丁目)の「出荷時のチェックミス」が原因とされる混入。同校は「誠に残念」とし、高根沢町は「裏切られた」と受け止めた。「あり得ないミス」と首をかしげる食肉関係業者は、県産肉の信用低下などの影響を不安視している。

 同校は24日、道の駅を所有する町と、道の駅指定管理者の塚原緑地研究所(千葉市)から謝罪されたという。白楊豚は、生徒たちが授業の一環で育てている。「生徒たちは一生懸命に取り組んでいる。二度とこのようなことがないようにしてほしい」と願った。

 「全てを裏切られてしまった」。加藤公博(かとうきみひろ)町長は、今回の事態に肩を落とす。道の駅で白楊豚を取り扱って人気を集め、育ての親である生徒たちのモチベーションにもつながっていたという。

 町は17日に渡清から報告と謝罪を受けた。加藤町長は「客の期待を裏切り申し訳ない。責任の所在や具体的な経緯が判明した後、町の対応を考えたい」と語り、同研究所の管理体制に関しても検討する考えを示した。ホームページには27日、謝罪文を掲載した。

 県内のある食肉関係業者は疑問を呈する。「仕入れをしっかりしていれば、今回のようなことは起こらない。なぜ出荷時のチェックミスのようなことが起こるのか」。この業者は白楊豚について「多くても年間30~40頭くらいしか市場に出回っていないのではないか」と推察し、希少性を強調した。

 業者は「白楊豚に限らず、県産の肉に対するイメージや信用が下がってしまう恐れもある」と懸念も口に。「真面目にやっている業者や県産の肉を扱う販売店や飲食店にとっていい迷惑だ」と語気を強めた。

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