被爆者らが米国で若者と対話 長崎県被爆者手帳友の会がプロジェクト 来月に11人を派遣

渡米計画について語る朝長会長(左)ら=長崎市松山町、ヒバクシャ・コミュニティ・センター

 長崎県被爆者手帳友の会は27日、被爆者や被爆2、3世らを米国に派遣し、被爆体験講話や米市民との対話を通して核廃絶の機運を高める渡米計画の概要を発表した。「ヒバクシャ・ミライ・プロジェクト」として始める活動の第1弾で、今後も世界の市民に被爆の実相を伝え、被爆者運動の継承を目指す。
 11月6~20日、ローリー、シカゴ、ポートランドの3都市を巡る。すべての都市で学校を訪問し、現地の中高生や大学生と講話や質疑応答などで対話を図るほか、一般市民や平和活動家、医師らとの交流会も予定している。
 訪問団は被爆者4人と被爆2、3世ら計11人。被爆者で医師の朝長万左男会長(80)が被爆者の健康被害の永続性について講話し、三田村静子副会長(81)は自身の被爆体験を紙芝居で上演。宮田隆さん(84)と増川雅一さん(82)は被爆体験を証言する。被爆2世の永井徳三郎さん(57)は祖父の故永井隆氏の思想を、被爆3世で長崎市出身の大学生、山口雪乃さん(20)は若者の平和活動について語る。
 現地での活動の様子はプロジェクトのインスタグラムと帰国後の記録映像などで発信する予定。
 団長を務める朝長会長は「核なき世界とは逆方向に進む国際政治を動かすには市民の活動が必要。米国民にじかに話しかけて草の根に火を付けたい」と語った。

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