「時速300キロなのにシートベルトはいらないの?」「混雑して座れないのになぜ料金は一緒?」新幹線の気になるアレコレ JR東海の広報に聞いてみた①

1964年10月1日、世界初の高速鉄道として開業した東海道新幹線。戦後復興の要として、日本の発展に大きく寄与した「夢の超特急」です。そんな東海道新幹線の停車駅が最も多いのは、静岡県。東から熱海、三島、新富士、静岡、掛川、そして浜松と、実に6つの停車駅があります。

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今回は身近な新幹線にまつわる疑問について、JR東海静岡広報室に聞きました。

Qなぜ、新幹線は300キロ近い速度が出ているのに、シートベルトをしなくてもよいのでしょうか?

<JR東海静岡広報室> シートベルトが必要となるような高加速や高減速はしないためです。緊急時は安全確保のために速やかに停止させる減速性能を有していますが、車内のお客様の安全を考慮したブレーキ力としており、危険はありません。

外国人観光客は「ひかり」「こだま」が好き?

Qゴールデンウィークやお盆の時期などにテレビのニュースなどで見かける「乗車率〇%」ですが、何パーセントまで乗車可能で走行できるのでしょうか?

<JR東海静岡広報室> 何パーセントまで乗車可能かはお示しできるものがありません。ただ、緊急時に安全確保のため速やかに停止させる際も、車内のお客様の安全を考慮したブレーキ力であることから、安全上、立って乗車いただいても危険はありません。

Q「こだま」や「ひかり」に外国人が多く乗車しているのはなぜですか?

<JR東海静岡広報室> 日本を観光目的で訪れる訪日旅行者の方に、JRグループ6社が共同で発売している特別企画乗車券「ジャパン・レール・パス」があります。このパスで、東海道新幹線管内でご利用可能な列車に「のぞみ」号は含まれず、「こだま」「ひかり」号のみが利用可能となっています。

なお、2023年10月1日より、特別企画乗車券「【ジャパン・レール・パス専用】のぞみ・みずほ利用券」の発売が開始されました。「ジャパン・レール・パス」をお持ちのお客様が、ご乗車前にこちらのきっぷをご購入いただくことにより、「のぞみ」号・「みずほ」号を利用可能とすることとしました。

なぜ、座っていても、立っていても料金が変わらない?

Q海外の列車では「立ち乗り料金」を設けている場合もありますが、座っている人と立っている人で料金が変わらないのはなぜでしょうか。

<JR東海静岡広報室> 自由席特急券は、座席の確保をせず、お客様が着座できる保証をしていないことを条件に発売するものです。つまり、「空席があればお座りいただける」ということです。座席を指定しないため、指定席特急料金より座席指定料金相当額を減額し、安価な価格設定をしています。発売にあたり、「座席の確保をしない」以外の条件は設けていないため、立ってご乗車いただいても座ってご乗車いただいても同じ価格となっています。

なお、指定席特急料金の金額は、自由席特急料金に座席指定料金相当額を加算したものであり、座席指定料金相当額をお支払いいただくことで、確実にお座りいただける保証をしているというものです。この制度は、東海道新幹線だけでなく、上越新幹線や北陸新幹線も含め、自由席の設定のある新幹線在来線特急共通の制度です。

静岡県はリニア中央新幹線をめぐり、JR東海と膠着状態が続いていますが、リニア開業後は県内の東海道新幹線の停車頻度が増加することが期待されています。こうした中、JR東海とJR西日本は9月、東海道・山陽新幹線「のぞみ」を、年末年始と4~5月のゴールデンウィーク、お盆期間中の三大ピーク期は、全車指定席にすると発表しました。

静岡県民にとって「のぞみ」号のニュースは関係ないと感じる人も多いと思いますが、次回は、なぜ停車駅が6つもあり、東西155キロの広さを持つ静岡県に「のぞみ」が停車しないのか、そのワケについて迫ります。

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