捨てられる布、紙「駅名標」に 津鉄「reuse号」11月運行 五所一高キルト同好会 車内展示

キルトの「駅名標」を手にする五所川原第一高校キルト同好会の生徒たち

 青森県五所川原市の五所川原第一高校キルト同好会の生徒たちが、11月1日から津軽鉄道が運行する「コト・コト・コットン reuse(リユース)号」の車内に飾るキルト作品を完成させた。廃棄されたシーツや解体された立佞武多(たちねぷた)の和紙を活用し、津鉄全12駅のカラフルな「駅名標」を制作。同好会長の木村怜愛さん(2年)は「本来は捨てられてしまう物をキルトに活用した。津鉄に乗って私たちの作品を見てほしい」と話している。

 コト・コト・コットンは同市の創作キルト作家・千葉幸子さん(76)が企画し、今回で3回目。「もったいない精神」を伝えることを狙いにしたreuse号は、「走れメロス号」3車両に、津鉄沿線市町の障害者支援施設利用者や高校生、園児が作った作品をそれぞれ飾り付ける。

 同校キルト同好会は今年の全国高校ファッションデザイン選手権で、立佞武多の和紙を再利用した衣装を手がけていたことから千葉さんがreuse号の展示物の制作を依頼した。

 キルト同好会の1~3年生、7人が制作した駅名標は、市内のホテルで廃棄されたシーツをキルトの土台に使用。立佞武多から剥がした和紙や、端切れを文字の形に切り抜き、ミシンで縫い付けた。津軽五所川原駅は立佞武多の迫力を伝える赤、十川駅は青や水色など、漢字のイメージや沿線の有名なものから着想を得て使う布の色を決めたという。

 企画した千葉さんは「お年寄りや障害者、高校生、子ども、どの人たちの作品の車両になるかは乗るまで分からない楽しさもある。たくさん乗って津鉄の応援をしてもらえたら」と話している。

 reuse号は11月30日まで運行する。

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