早めの避難 手順確認 昨年の豪雨想定、訓練/青森・鯵ケ沢町

鯵ケ沢町防災訓練で舞戸小体育館に避難する住民=28日

 昨年8月の豪雨で市街地の広範囲が浸水した青森県鯵ケ沢町で28日、昨年並みの大雨洪水災害を想定した町防災訓練が行われた。町や関係機関の職員、住民ら計約200人が参加し、避難所開設や住民の避難などの手順を確認した。

 前日から続いた雨で、大雨警報と土砂災害警戒情報が発表され、午前9時過ぎに中村川が避難判断水位に達したとの想定。町の避難指示を受けた対象住民が、舞戸小学校体育館と山村開発センターに避難した。

 このうち舞戸小には町災害対策本部が置かれ、道路冠水や住民の避難誘導状況などに関する報告が、担当者から次々と本部長の平田衛町長に寄せられた。

 昨年の避難所運営で情報提供の少なさを指摘する声が上がったことを踏まえ、避難所でテレビを見られるようにしたほか、町職員が時系列で整理した情報を張り出すなど情報周知に努めた。

 舞戸地区町内会連絡協議会の國谷正春会長(75)は「地区内には高齢者が多い。脚が痛い-と今日の避難訓練に参加しなかった人もいたが、実際の災害時は、おぶってでも避難所に連れてこなければ」と危機感を強めていた。

 訓練後の講評で平田町長は「空振りになってもいいので、われわれは早め早めに避難指示を出す。『自分の身は自分で守る』を基本に、早めの避難をお願いしたい」と参加者に呼びかけた。

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