トヨタのふたりがミス。ヌービル「一方で僕たちはとても安定していた」/WRC第12戦 デイ3後コメント

 WRC世界ラリー選手権第12戦『セントラル・ヨーロピアン・ラリー(CER)』の競技3日目が、10月28日(土)に行われた。オーストリアとドイツに設定された計3本のステージを各2回、全部で6つのSSで争われたデイ3では、ヒョンデ・シェル・モビスWRTのティエリー・ヌービル/マルティン・ウィダグ組(ヒョンデi20 Nラリー1)が総合首位に返り咲いている。そんなラリー3日目を戦った各チームからドライバーコメントが届いている。

■Mスポーツ・フォードWRT

●オット・タナク(#8 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ3総合3番手

「前のステージで(ハンドブレーキの)油圧を失い、最初のヘアピンでは(オーバーシュートして)バックすることになった。次の場所は滑りやすく、そこでハンドブレーキを引くという愚かな本能が出てしまい、フロントホイールをロックさせてしまった」

●ピエール-ルイ・ルーベ(#7 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ3総合8番手

「驚いたよ、森の中がこんなに滑るとは思っていなかった。長いワイドなコーナーをまっすぐ進んでしまったけれど、幸い速度はとても遅かった。でもタイムを大きく落としてしまった」

●グレゴワール・ミュンスター(#13 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ3総合7番手

「とても厳しかった。とくに僕たちのように車内の照明がない場合はね! 慎重に進んだけれどよく見てみる必要がある。僕が思うにアイドリングが低くなりすぎたのが、ふたたびストールした理由だ」

※いずれもSS14直後の公式インタビューより

グレゴワール・ミュンスター(フォード・プーマ・ラリー1) 2023年WRC第12戦セントラル・ヨーロピアン・ラリー
オット・タナク(フォード・プーマ・ラリー1) 2023年WRC第12戦セントラル・ヨーロピアン・ラリー

■ヒョンデ・シェル・モビスWRT

●ティエリー・ヌービル(#11 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ3総合首位

「ステージのコンディションは厳しく、昨日と同様にまたしてもトリッキーな一日だった。午前中の早い時間にあれほど(状況が)好転するとは予想できなかった。カッレ(・ロバンペラ)とエルフィン(・エバンス)がふたりともミスをしたんだ。一方で僕たちは一日中とても安定していた。それで正午のサービスまでに首位に立つことができ、夕方にはいっそう大きなマージンを築いた」

「何が起きるかわからないから、このギャップに余裕があるとは思わないが、それでも明日はなんとかできるはずだ。僕たちは最高の自信を持っている。クリーンな走行をして、予想外のことが起きないよう願っているし、この数日よりも多少楽になることを期待している」

●テーム・スニネン(#3 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ3総合6番手

「今日のセントラル・ヨーロピアン・ラリーは、またしても難しいものになった。ラリーは昨日と比べるとかなり違っていると感じた。すべての道路のコンディションが変わったんだ」

「午前中のループでは良いペースを刻めたが、午後はスリックタイヤを履いた。グリップレベルはかなり良くなったけれど、あまり活かすことはできなかったし、一部のセクションでは少し慎重になっていた」

「全体的に順調だったし、ティエリー(・ヌービル)がラリーで首位になったのは素晴らしいことだ。明日の彼の幸運を祈っているし、僕自身もいっそうの改善を見せたいと思っている」

シーズン2勝目に向けてリードを拡げるティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1) 2023年WRC第12戦セントラル・ヨーロピアン・ラリー
テーム・スニネン(ヒョンデi20 Nラリー1) 2023年WRC第12戦セントラル・ヨーロピアン・ラリー

■TOYOTA GAZOO Racing WRT

●カッレ・ロバンペラ(#69 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ3総合2番手

「大きなチャレンジの一日だった。午前中2本目のステージではヒヤッとする瞬間があった。ブレーキングの際、想像以上に路面が滑りやすくなっていて驚いたが、幸運にも少し逃げ場があったので助かり、コースに戻ることができた」

「本当に残念なことだが、ステージをスタートする直前にエルフィン(・エバンス)がコースオフしたことを知り、計画を変更したんだ。ラリーを最後まで走りきり、数ポイント獲得するだけで良くなったからね」

「このような非常に難しいコンディションでは、とにかくリスクを減らして安全に走ることが大切なので、いくつかのステージでペースを落とて走った。そのように走るのは正直楽しくなかったけれど、最後のステージはフィーリングが良くなったので、明日に繋がると思う。とはいえ、何よりも重要なのは最後までしっかりと走り抜くことだ」

●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイリタイア

「今朝も非常に難しいコンディションだったが、いい走りができていたと思う。残念ながら、午前中のループの最後のステージ(SS11)で、非常に滑りやすい右コーナーで足をとられてしまった」

「コーナーに向けての減速はとてもうまくいったのだけど、ターンインしようとしたところ路面のグリップが予想以上に低く、イン側の前輪をロックさせてしまった。その結果コーナリングラインがワイドに膨らみ、道幅がとても狭く行き場がなくなってしまったんだ」

「競技を続けるには少しダメージが大きいと思ったが、チームがクルマを修理してくれたので、明日はまた走れると思う。チームにとっても、自分たちにとっても残念な結果になってしまった」

●セバスチャン・オジエ(#17 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ3総合4番手

「今日は、昨日とは路面が違ったが、自分たちにとっては似たようなコンディションで、変わらず中団を走ることになった。朝はまだ路面に泥が残っていてトリッキーだったので、確実性を優先して走行し問題なく午前中のループを終えたよ」

「午後はコンディションが良くなり、路面も少し乾いてきたので、グリップもペースも良くなり楽しんでドライブできるようになった。だから今日はポジティブな面もあったと言える」

「前後の選手とのタイム差は、目標を定めるには大きすぎるし、明日の午前中もまだトリッキーなコンディションが続くと思うが、最後までいいペースで走れるように努力していくつもりだ」

●勝田貴元(#18 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ3総合5番手

「デイ3が終わり総合5番手。路面の泥に苦戦しましたが、午後はクルマも改善し最終ステージは3番手で、同じタイヤチョイス勢ではトップだったので、良い状態で最終日を向かえることができそうです」

「明日も最後までプッシュできるよう準備していきます!」
X(旧Twitter)より

セバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第12戦セントラル・ヨーロピアン・ラリー
デイ4の再出走に向けて修復が行われるエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組のトヨタGRヤリス・ラリー1 2023年WRC第12戦セントラル・ヨーロピアン・ラリー
カッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第12戦セントラル・ヨーロピアン・ラリー

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