【インドネシア】三菱商事、EVの移動式コンビニを実証実験[商業]

三菱商事はインドネシアで電気自動車(EV)を活用した移動式コンビニの実証実験を実施する(同社提供)

三菱商事は27日、インドネシアの首都ジャカルタ郊外で、電気自動車(EV)を活用した移動式コンビニエンスストア「モバイル・ローソン」に関する実証実験を開始すると発表した。同国でローソンを運営するランチャル・ウィグナ・スジャトラ(ローソン・インドネシア)との共同実験で、期間は10月30日から2024年3月31日まで。

実証実験は、不動産開発大手シナールマス・ランドがバンテン州タンゲランで開発する新興都市「BSDシティー」で実施する。三菱自動車製の軽商用EVに、ローソンの商品を搭載し、移動しながら販売する。実店舗と同様に、挽きたてのコーヒーやおでんなども提供する。三菱商事によると、EVを用いた移動式コンビニはインドネシアでは初めてとなる。

三菱商事は、昨年実施したBSDシティーの居住者を対象にしたヒアリング調査で、同地区の都市計画は車移動を前提としているため、日中に車を使用できない家庭や公共交通等で通勤・通学している人々の購買利便性が低いという課題が浮き彫りになった。

一方で、ローソン・インドネシアは従来型の固定店舗以外での新たな収益機会の創出を目指しており、都市の課題解決に向けた取り組みとして移動式コンビニの実証実験を開始することになった。実証実験では、ローソンブランドのさらなる浸透や、実店舗の出店加速に向けた調査、移動式コンビニの事業展開の可能性についても検証を行う。

ローソン・インドネシアは、三菱商事が出資するインドネシアの小売り大手スンブル・アルファリア・トリジャヤのグループ会社。同国での8月末時点のローソン店舗数は550店舗となっている。

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