ガザ市郊外に戦車接近か イスラエル軍、部隊増派

30日、イスラエル軍による攻撃後、自宅を離れるパレスチナ人たち=パレスチナ自治区ガザ北部ガザ市(AP=共同)

 【エルサレム共同】イスラエル軍報道官は30日、イスラム組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザに地上部隊を追加投入したと表明した。中東の衛星テレビ、アルジャジーラは同日、軍の戦車が北部ガザ市郊外に近づいたと報じた。29日にはガザ市の病院周辺を空爆するなど本格的な地上侵攻に向けて攻撃を強化し、ハマスとの戦闘が激化している。

 軍報道官は「戦争の局面と、目標に従って攻撃を継続し強化する」と述べた。イスラエルメディアによると軍はこの24時間で約600の標的を攻撃。イスラエルはガザの病院や地下にハマス関連施設があると疑っている。病院では多くの負傷者が治療を受け、住民多数も避難。民間人被害の拡大が懸念される。

 米CNNテレビは29日、衛星映像の分析としてイスラエル軍がガザ北部の境界から約3キロ進軍したと伝えた。軍は北部のエレズ検問所付近でトンネルから出てきたハマス戦闘員を殺害したと表明。ハマスは中部でイスラエル軍と衝突したと主張、イスラエル軍はガザ北部と東部から部隊を侵入させているとみられる。

29日、ガザ市でイスラエル軍による空爆後、立ち上る煙(AP=共同)
29日、イスラエル軍によるガザ地区への攻撃後に上がる炎=イスラエル南部スデロト(ゲッティ=共同)

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