願い込め、夜空へ…川越の空にピンクのランタン 「悲しむ人、少しでも減らしたい」乳がんの早期発見を祈願

乳がんの早期発見、早期治療への願いを託し、ランタンを打ち上げた=28日、埼玉県川越市小ケ谷の最明寺

 乳がんの早期発見、早期治療の重要性を啓発するピンクリボン月間の10月に合わせ、埼玉県川越市小ケ谷の最明寺で28日、ピンクリボンフェスティバルが開かれた。最明寺では2018年から毎年行っており、今年で6回目となる。

 フェスは昨年から、くまがやピンクリボンの会AYA(あや)支部と共催。思春期と若年成人を意味する英語の頭文字を取った「AYA世代(15~39歳)」で乳がんを発症した経験を持つ支部メンバーが、同世代に検診を呼びかけるなどの取り組みに力を入れている。メーン行事として、前回に続きピンク色のランタンを夜空に打ち上げた。

 20年に乳がんが見つかった同支部長の小川知里さん(42)は、「コロナ下で検診率が著しく下がっている。がんで悲しむ人を少しでも減らしたい」とあいさつ。実行委員長で最明寺副住職の千田明寛さん(35)は「タイでは古くからランタンに思いを乗せ、仏教の祭りで打ち上げてきた。患者さんの周囲の人や家族の方々は、ご本人に寄り添ってほしい」と語りかけた。

 ランタンの企画には、一般の参加者も来場。小川町の事務職笠原亜希子さん(52)は「身の回りの若い人たちにも、欠かさず検診に行くよう勧めたい」と話していた。

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