志賀町発注の配水管工事の入札をめぐり、現金50万円を受け取って最低制限価格を漏らしたなどとして、石川県警捜査2課と羽咋署は30日、受託収賄と官製談合防止法違反、公契約関係競売入札妨害の疑いで、町長の小泉勝（57）と妻の美穂（56）の両容疑者を逮捕した。贈賄などの疑いで、青谷工業（同町）の代表青谷武容疑者（83）と妻勝美（76）の両容疑者を逮捕した。
小泉夫妻の逮捕容疑は共謀し、町が今年7月6日に実施した「老朽管路耐震化更新事業配水管更新工事（倉垣2工区）」の入札で、青谷両容疑者から現金50万円を受け取り、最低制限価格827万6千円を漏らした疑い。青谷夫妻は入札で便宜を図るよう依頼し、現金を渡した疑いが持たれている。
志賀町町の小泉町長宅には30日午前6時15分ごろ、捜査車両3台が訪れ、捜査員4人が自宅に入った。1台が車庫に入り、同40分ごろに自宅を出たが、後部座席は白いカーテンで覆われ、中をうかがうことはできなかった。その15分後にも別の捜査車両2台が敷地内に入った。
志賀町では2007年、細川義雄前町長時代に町発注工事を巡る談合事件で、県警が町役場などを家宅捜索し、落札会社の関係者を逮捕。県警から事情聴取を受けた細川氏が自殺を図るなど町は混乱し、09年、町政の刷新を訴えた小泉氏が町長選で細川氏を破り、初当選した。現在4期目で、任期は21年9月25日から4年間。
●首長逮捕、99年以来
県内で現職首長の逮捕は、1999年に町職員採用に絡む収賄容疑で逮捕された旧能都町長の山瀬秀氏＝収賄罪で有罪判決＝以来。前年には旧松任市長の細川久米夫氏が市の発注工事に関する同容疑で逮捕され、有罪判決となった。
★小泉勝氏（こいずみ・まさる） ウッドジュニアカレッジ卒。旧志賀町議を経て2003年から石川県議を1期務め、09年の町長選で初当選。13、17、21年に再選し、現在4期目。羽咋郡市広域圏事務組合長。
