【中国】飲食各社、売り上げ・集客向上へライブ配信[サービス]

中国の飲食店企業が、インターネット上で映像を配信しながら商品を売る「ライブコマース」に乗り出している。そうざい半製品の販売増加や、割安感のある消費券販売を通じた店舗への集客にそれぞれつなげている。第一財経日報(電子版)が伝えた。

いち早くライブコマースに乗り出したのは大手飲食チェーンだ。全国で火鍋レストランを運営する呷哺呷哺餐飲管理(中国)は2022年、動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の中国版「抖音(ドウイン)」と戦略提携を結んだ。同年5月には中・高級火鍋店ブランド「湊湊」のオープン6周年に合わせてライブコマースを実施し、1回の実施で約500万元(約1億円)を売り上げた。

呷哺呷哺のドウインの公式アカウントが実施するライブコマースでは、そうざい半製品や火鍋のもとなど数十の商品が購入できるようになっている。

大手火鍋チェーン「海底撈火鍋」を展開する海底撈国際控股も22年にドウインと提携。初めて行ったライブコマースでは、総取引額(GMV)が2,000万元を突破した。

外食大手の九毛九(広州)控股が手がける四川料理の一つ「酸菜魚」のチェーン「太二酸菜魚」は今月25日にドウインでライブコーマスを実施した。セットメニューや店内飲食向けの消費券など25商品を販売し、約9時間で5,000万元以上を売り上げた。

■スーパーも割安の消費券販売

スーパーマーケット各社もライブコマースを強化している。

北京商報によると、全国展開する永輝超市はドウインで消費券や日用品、食品を販売。90元で売り出した100元分の消費券はこれまでに1万枚近く売れたという。小売り大手の物美科技集団もライブコマースで割安の消費券を1万枚以上販売した。

電子商取引(EC)大手の阿里巴巴集団(アリババグループ)傘下のスーパー「盒馬鮮生(フーマー)」は、アリババ系ECサイト「淘宝(タオバオ)」でのライブコマースを行い、18時間以内に配送を完了できるとアピールした。

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