朝乃山は東前頭筆頭 九州場所、年内三役ならず

朝乃山

 日本相撲協会は30日、大相撲九州場所(11月12日初日・福岡国際センター)の新番付を発表し、朝乃山(富山市呉羽町出身、富山商高OB、高砂部屋、写真)は東前頭筆頭に座った。平幕最高位にとどまり、目標としてきた「年内に三役復帰」は果たせなかった。秋巡業中に左脚を負傷しており、本場所までに状態をどこまで回復できるかが焦点となりそうだ。

 朝乃山は西前頭2枚目で臨んだ先場所で、三役復帰を目指したが、9勝6敗で終えた。目標に掲げた「2桁勝利」を収めていれば小結に昇進できていただけに、あと1勝に泣く結果となった。

 名古屋場所で「左上腕二頭筋部分断裂」を負い、秋場所前は巡業にほとんど参加できず、調整は不十分だった。それでも復帰後初めて役力士と総当たりとなり、元大関の地力も示した。九州場所で勝ち越せば、来年は三役でスタートすることができそうだ。

 懸案は28日の巡業の朝稽古で、左ふくらはぎ付近を痛めた影響だ。初日までは2週間しかなく、どこまでけがを回復させ、調整できるかが不安材料となる。9月には錦木が秋場所初日の8日前にあったぶつかり稽古中、右ふくらはぎの肉離れを起こした。錦木は秋場所初日から出場したが、5勝10敗で終えている。

 朝乃山が年納めの土俵で雄姿を見せ、来年につなげることができるか、初日までの準備期間も重要になりそうだ。

  ●けが心配も奮闘期待 県内ファン

 富山県内の支援者やファンは新番付を「予想通り」と受け止め、左足のけがを心配しながらも九州場所での奮闘に期待を寄せた。

 朝乃山富山後援会の青木仁理事長は「先場所の勝ち星通りの結果で(番付は)仕方ない。けがはつき物だが、初日までにしっかりと体を整えて挑んでもらいたい」とエールを送った。

 呉羽地区自治振興会の北森正誠会長は「三役復帰が見えており、九州場所で10勝以上を挙げてほしい。来年の大関に期待している」と力を込めた。

 県警OBらでつくる「富山を楽しくする会」の長谷川敏博事務局長は「来場所は腹を据え、苦手意識を克服しながら着実に勝ってほしい」と話した。

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