【大分】江戸時代末期から昭和初期の町並みが残る大分市の戸次本町を舞台に、地域の歴史や文化、食に触れる体験プラン「かたらし ざいまち~へつぎで学び・楽しみ・かたらう」が始まった。市の主催。建物探訪や郷土料理作り、所蔵品の特別公開など、来年1月21日までに11種類のプログラムを用意している。
初回の27日は「歴史響きあうコンサート」と題して、100年以上の歴史がある帆足本家酒造蔵(市指定有形文化財)で古楽器のコンサートを楽しむプログラムがあった。杵築市山香町を拠点に活動するきょうだいユニット「baobab(バオバブ)」が出演。木造の白壁に囲まれた空間に神秘的な弦楽の音色と澄んだ歌声が響き渡り、約100人の来場者を魅了した。
「かたらし」は、方言の「加わる」に「共に語り合う」という意味合いを込めた。毎回、地域にゆかりのある「誘(いざな)い人」らが案内役を務める。
戸次本町は日向街道の交通の要衝として江戸時代、城下町以外で特別に商業活動を許された「在町」として栄えた。周辺の大南地域は農業が盛んで、農作業の合間に食されたおやつ類、地元ならではの郷土料理が今に伝わる。
「大南の隠れた良さ、新たな魅力に出合い、食や文化の奥深さを感じてほしい」と市まちなみ整備課。「今回の企画を地元主導で今後のまちづくりにも生かしてもらえたら」と期待を寄せている。
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次回以降の主なラインアップは次の通り。
▽町並み保存の専門家と建築士が案内する「戸次本町マニアック!?建物探訪」(11月3日)▽プロサイクルチーム・スパークルおおいたとサイクリングする「戸次のご利益スポットを走る!」(12月9日)▽戸次伝統の麺料理「ほうちょう」作りにチャレンジ(12月10日)▽旧家の帆足本家の掛け軸や道具類の特別公開「富春館美術館」(1月19~21日)▽日本文学研究者のロバート・キャンベルさんが名画鑑賞の楽しみ方、アートとまちづくりについて語る「文化を育てた戸次に迫る」(1月20日)。
参加は予約制。先着順で定員になり次第締め切る。プランによっては参加費が必要。詳細、予約は「かたらし ざいまち」のホームページへ。問い合わせは、事業の委託先の大分朝日放送(097.538.6150)。