大村市長選で3選果たす 園田裕史さん(46) 「長崎県けん引するトップランナーに」 

園田裕史さん

 〈任期満了に伴う大村市長選で3選を果たした。今後の抱負や課題を聞いた〉

 -前回は無投票再選だったが、初当選した8年前の市長選より得票数を伸ばし、3期目の信任を得た。
 感動して涙を流すというより、「よし、仕事をきっちりやろう」という緊張感や重責を感じたのが率直な感想。今回は演説をしていても一般市民からの反応が良かった。任期中、ずっと現場に行ってきたので「8年間やったことを信じてください」と呼びかけた。市議団と是々非々の議論をするのが楽しみ。
 -投票率は51.81%で前回を8.88ポイント下回り、過去最低だった。
 選挙に行こうと言い続けてきたのに投票率が下がったのは、行きたくなるような選挙にできなかった候補者の責任。自分の力不足という反省が大きい。

 -3期目の重要政策は。
 学校の長寿命化や新市庁舎の建設など、大型建設事業を計画通りできるようにすること。(市民から長年要望が上がっている)新文化ホール・体育館・武道館の整備も進めたい。ハード事業だけでなく、ふるさと納税などを活用して市税の獲得を進め、高齢者の交通対策などソフト事業も充実させていきたい。

 -同市は人口が増加し続けており、近い将来10万人を突破するとみられる。今後の課題は。
 地域コミュニティーの希薄化が挙げられる。投票率だけでなく、町内会加入率の低下など、町は発展しているが(良くも悪くも)都市化しているように感じる。子育てに熱心な方が多いので、そうであればこそ地域とのつながりが深まった方が子どもにとっても良いのでは、と考える。(市独自の地域共助を支援するアプリ開発に乗り出しており)「こんなふうに協力してほしい」と伝える手段が増えると思う。

 -長崎県全体や西九州地域を俯瞰(ふかん)した時に、今後の大村をどのような町にしたいか。
 県をけん引するトップランナーにしたい。日本における西側の玄関口でもあり、(県が佐世保市への誘致を目指す)カジノを含む統合型リゾート施設(IR)やキリシタン関連遺産の観光客を九州一円につなぐ役割も担う。アジアとの人的、経済的な交流も見据え、子どもたちが「こんな大村なら働きたい」と思えるような町にしたい。

【略歴】そのだ・ひろし 大村市出身。福岡看護専門学校卒。看護師、市議を経て2015年の市長選で初当選。趣味は高校ラグビー観戦。

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