11月1日から佐世保くんち 最後の「蛇踊り」奉納へ 高齢化で継続厳しく…「記憶に残る踊りを」

最後の奉納に向け練習を重ねる蛇踊りのメンバー=佐世保市、三ケ町アーケード

 佐世保くんちを盛り上げてきた三ケ町商店街振興組合青年部の蛇踊りが11月3日の奉納で最後を迎える。担ぎ手の高齢化などで継続が厳しい状況に。実行委員会メンバーは本番に向け「皆さんの記憶に残る蛇踊りを披露したい」と練習に汗を流している。
 蛇踊りはもともと、三ケ町の一つである栄町の伝統の奉納踊り。人数が集まらず、奉納を断念していた時期があったが、2004年に三ケ町界隈(かいわい)の青年部有志が復活させた。以来、毎年恒例の出し物として、市民らに親しまれてきた。
 初代実行委員長を務めた同組合事務局長の伊藤寛さん(56)は、少子化により担い手、若手が集まらない現状や、歴史を支えてきた蛇に補修が必要なことなどを説明し、残念そう。「寂しいが、時代の流れ。初期メンバーも応援に駆けつけてくれる。いい感じで締めくくりたい」と感慨深く語る。
 最終日の3日、松浦公園で奉納。蛇衆、囃子(はやし)方を合わせて2~61歳のメンバー約30人が力を集結する。同青年部会長の田島慎さん(51)、実行委員長の楠本真介さん(45)は「20年間続けてきた思い出がある。仕上がりもいい。悔いが残らないよう奉納する。集まってくれた仲間に感謝。いつか若い世代が復活してくれると思う」とファイナルへの思いを語った。

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