松島火力発電所 2024年度末に休廃止 2号機は高効率化で存続 長崎・西海市

2024年度末までに1、2号機を休廃止することが発表された松島火力発電所=西海市大瀬戸町

 電源開発(Jパワー)は31日、長崎県西海市大瀬戸町の松島火力発電所について、石炭からガスを取り出す設備を併設し、二酸化炭素(CO2)の排出を削減する「GENESIS松島計画」を推進するため、1号機(石炭火力、出力50万キロワット)を2024年度末に廃止、2号機(同)を同年度末に休止すると発表した。
 50年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」の実現に向け、CO2排出が多い非効率な石炭火力発電設備を削減する取り組みの一環。同計画では、将来的にCO2を排出しない水素発電を目指すとしている。
 同社によると、1、2号機はいずれも1981年に運転を開始。同計画に伴い、1号機を廃止する一方、2号機はガス化設備を併設して高効率化し存続させる。2026年着工、28年度の運転開始を目指す。1号機の一部設備や敷地は、引き続き同計画や将来のカーボンニュートラル施策に向けて活用していく予定。
 グループ会社を含めた現在の発電所員の雇用については、同計画に伴う業務や新設備への配置換えなどで「おおむね維持していく」という。
 菅野等社長は都内で記者会見し、同計画を巡り「将来的にはバイオマス・アンモニア燃料の導入なども含め、松島がカーボンフリー火力の先進地となるよう取り組んでいく」と話した。
 電源開発の31日の発表を受け、杉澤泰彦市長は「大きな影響が危惧される宿泊業者などへの経済支援策など、市民の生活と雇用を守るため県と連携して取り組むとともに、計画の着実な実施に向けて協力する」。大石賢吾知事は「雇用継続や地元発注などの維持をしっかり行っていただき、西海市民の生活や社会経済活動へ影響が、極力少なくなるようにお願いしたい」などとするコメントをそれぞれ発表した。

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