「前方後円墳から何語る」多様な知見紹介 京都府向日市で講演会

前方後円墳など古墳の研究の変遷に関する説明に聞き入る参加者(向日市寺戸町・永守重信市民会館)

 前方後円墳が造られた古墳時代をテーマにした講演会が10月29日、京都府向日市寺戸町の永守重信市民会館で開かれた。各地の多様な古墳に関する知見が語られ、参加者が聞き入っていた。

 市埋蔵文化財センターの主催。文化資料館(同市寺戸町)で開催している寺戸大塚古墳の最新調査研究成果展の関連事業。花園大の高橋克壽教授が「あらためて問う。前方後円墳から何が語れるか?」と題して講演。約60人が参加した。

 高橋教授は冒頭、「前方後円墳だけで当時の政治体制や地域支配が読み取れるだろうか」と会場に問いかけた。

 戦前戦後の代表的な研究者の考え方、埴(はに)輪(わ)の模様などの詳細な分析、全国各地の古墳の調査成果などを紹介。古墳の形や大きさの変遷について「当時の朝鮮半島との外交ルート、王権と地域の首長との在り方などを考慮する必要がある」と述べた。

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