イングランドプロサッカー選手協会が「メンタルヘルス上での新たな3つの問題」を報告

写真:睡眠薬中毒であったと告白したデレ・アリ©Getty Images

イングランドプロサッカー選手協会(PFA)は、1000人を超えるプロ選手に対してメンタルヘルスに関する調査をしており、2022-23シーズンのデータによると、男性選手の41%、女性選手の59%が何らかの緊張や不安を感じた経験があるという。男性選手がサッカー関連で抱えている悩みの内容はケガ(68%)、試合中のパフォーマンス(47%)、引退後のキャリア(47%)の順番であると、イギリス『デイリーミラー』電子版が報じている。

PFAの福祉部長マイケル・ベネット氏は、スヌース(無煙たばこ)、処方薬の使用、ソーシャルメディアがメンタルヘルス上で新たな問題になると懸念し、以下のように語った。

「スヌースに関しては、使用している選手とともに依存症の選手に向き合っている。PFAは先頭に立って選手にアドバイスしたいと考えています。スヌースが与える健康被害について、たくさんの研究が必要です。選手の間で人気が急上昇しているニコチンの研究に取り組んでいきます」

「デレ・アリ(エヴァートン)は自身が睡眠薬中毒であると告白しました。現役時代にリヴァプールなどでプレーしたクリス・カークランド氏も、鎮痛剤の依存症であったと聞きました。処方薬への依存症に苦しむサッカー選手たちも表面化しています。睡眠薬や鎮痛剤の依存症についてわかったことは、うつ病、不安、飲酒などの今まであった問題とは別物で、新しい問題として捉えるべきです」

「最後に蔓延している問題はソーシャルメディアに関するものです。女性選手の40%がウェブ上で何らかの暴言やハラスメントを受けたことがあると回答しています。うつ病、ストレス、不安に関するサポートを求めて名乗り出た選手の中には、SNSについて言及した人もいます。近年、SNSの問題を言及する人が増加したため、サポートを求める数も増えました」

選手の精神的健康に関していくつかの憂慮すべき新たな傾向がある一方、「以前よりもはるかに多くのサポートが選手に提供されており、メンタルヘルスサービスは徐々に改善している」とも語っている。

「2011年はメンタルヘルスに関して偏見があり、語るのがタブーとされる話題でした。長年にわたり、メンタルヘルスは人によって考え方や捉え方が異なることを選手に認識させてきました。長期的なケガに関する問題もあれば、ピッチ上での不安や私生活に関する懸念から生じる可能性もあります。選手たちは自身が直面している問題について、もっと率直に話すようになりました」

「私が最初にこの仕事に就いた時は、サービス主導型のアプローチでした。私は選手が望むであろうサポートやサービスを行ってきました。しかし現在は、サービス主導のアプローチからニーズ主導のアプローチに移行しており、選手が何を望んでいるのかをヒアリングし、選手によって対応を変えています」

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