島津製作所の「長崎ラボ」が開所 県内の大学と連携 感染症対策など3分野で技術開発へ

 島津製作所(京都市)が長崎市御船蔵町に新設する研究開発拠点「Shimadzu Nagasaki Collaboration Lab(長崎ラボ)」が1日、開所した。長崎大、県立大と連携し、感染症対策、海洋事業、情報セキュリティーの3分野で技術開発に取り組む。
 同社の研究拠点としては5カ所目。同町の長崎駅前電気ビルに入居する。長崎大とは感染症関連の専門家と協力し、検査試薬・装置の開発を進める。また海洋分野では、同大などが持続可能な養殖事業実現を目指す産学官連携プロジェクト「ながさきBLUEエコノミー」に参画。同社が独自開発した水中光無線通信装置を応用し、同市近海で実証実験をする。県立大とは、サイバー攻撃リスクとなるソフトウエアの「脆弱(ぜいじゃく)性情報」の自動収集技術の共同開発に既に着手している。
 当面は常駐1人に他の研究施設と往来する社員を合わせた計8人で運用する。現地採用も視野に、5年間で10人を雇用する計画。
 尾上町の出島メッセ長崎で開所式があり、山本靖則社長は「創業150周年となる2025年までに新たなビジネスをつくりたい」と抱負を述べた。大石賢吾知事は会見で「大学で積み重ねた研究シーズ(種)を掘り起こし、新しいサービスにつながればと期待している。県としても企業側のニーズに合った人材育成に協力していきたい」と話した。

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