「成沢田植踊」堂々初披露 山形・蔵王一小150周年記念式典・4年生、保存会の指導受け

創立記念式典で「成沢田植踊」を披露する4年生=山形市・蔵王一小

 山形市蔵王一小の創立150周年記念式典に合わせ、4年生47人が10月31日、地元の伝統芸能「成沢田植踊」を初披露した。高齢化の進展で地域文化の継承が難しくなる中、子どもたちが地域の人たちを前に堂々と踊り、伝統文化を守る大切さを学んだ。

 地域との関わりを持とうと本年度、成沢田植踊保存会(菊地和助会長)から指導を受け、総合学習の時間に練習してきた。成沢田植踊は田植えから稲刈りまでの流れを表現し、中太鼓を中心に「げんない棒」を持った踊り手と早乙女が舞うのが特徴。1974(昭和49)年に保存会が設立され、90年に市指定無形民俗文化財となった。保存会員は現在17人で、12曲が伝わり、地元の八幡神社で大みそかに披露している。

 この日、子どもたちは衣装をまとい、田植踊の最初の曲とされる「お正月」、田植えの場面を表現した「そうりのや」を踊った。原田唯楓(いぶき)君(10)と梶西悠真君(9)は「動きが難しく、家でも復習しながら覚えた」と笑顔を見せた。

 保存会の鏡啓さん(79)は「思った以上に完成度が高く、今後も同校の4年生の伝統として、受け継いでほしい」と語った。

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