長崎・雲仙岳災害記念館の指定管理者 シダックス子会社が内定 来年度から5年間

 雲仙・普賢岳噴火災害の記憶や教訓を伝える長崎県の施設、雲仙岳災害記念館(島原市平成町)の指定管理者に、給食大手シダックスの子会社シダックス大新東(だいしんとう)ヒューマンサービス(東京)が内定したことが1日、分かった。期間は来年度から5年間。今月開会予定の定例県議会での議決などを経て決定する。
 県によると、指定管理者は今年5月から公募。県内外の2社が応募し、有識者でつくる選定委員会が審査した。同社は公共施設の運営管理を全国で受託しており、事業計画書で、噴火災害の犠牲者追悼のため同館が島原半島の子どもらと2007年から実施している「いのりの灯(ともしび)」を継続する意向を示し、島原半島産の食材を活用した直営レストランの運営や、年間パスポート(従来1800円)の値下げとワンドリンクサービス特典によるリピーター確保などで24年度の有料入館者数をコロナ禍前と同等の16万9660人、総収支を約1200万円プラスと見込んでいる。
 審査は全17項目で「災害の教訓の伝承による防災意識の醸成」「収支計画の妥当性」「地元雇用や県内発注の考え方」など、いずれも高評価を得たという。
 同社は「全国の博物館や道の駅などの運営で培ってきたノウハウを生かし、継続的に足を運びたくなるような運営に努めていきたい」としている。
 同館は02年7月に開館。開館当初は有料入館者数が約35万9千人だったが、徐々に減少。18年度にリニューアルし20万人台に持ち直したものの、新型コロナウイルス禍で再び落ち込み、22年度は約8万7千人だった。

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