ヴィッセル武藤、神戸の児童と交流 今の夢「残り3試合勝って…」

明親小の6年生と記念写真に納まる神戸のFW武藤嘉紀=神戸市兵庫区須佐野通4の同校

 サッカーJリーグ1部(J1)ヴィッセル神戸の元日本代表FW武藤嘉紀(31)が2日、神戸市兵庫区の明親小学校を訪れ、6年生約120人と交流した。今の夢を聞かれた主軸ストライカーは神戸のリーグ初優勝を挙げ「残り3試合。とにかく1試合1試合、勝って優勝することが一番の夢」と力強く語った。

 J1神戸が市内の全小学校を対象に公式戦1ゴールにつき、サッカーボールを4校に贈る「ゴール・フォー・スマイル」の一環。2010年に始まり、新型コロナウイルス禍による空白期間を経て、4年ぶりにイレブンの訪問が再開され、今季3度目の実施となった。

 会場の体育館に武藤が登場すると、児童は大歓声で迎えた。ボールや記念のメッセージボードなどを受け取った児童は緊張気味だったが、武藤が優しく肩に触れ、報道陣のカメラなどに顔を向けるように笑みを浮かべた。

 質問コーナーでは、速く走れるようになりたいというラグビー少年に「日本から海外のチームに行く時、足を速くしたくて陸上の先生に習った。とにかくおなかの下の方に力を入れること。体幹のトレーニングが大事になる」とアドバイスを送った。

 選手生活の支えになっているプレーヤーを聞かれると、神戸でのプレーを最後に引退した槙野智章さんとFC東京の長友佑都を挙げ、37歳の長友については「いくつになっても成長をイメージして努力する。まだまだ頑張ろうと思う」と、元日本代表サイドバックに刺激を受けていることを明かした。

 交流後、報道陣の取材に応じた武藤は「夢を聞かれることはそうそうなく、逆に考えさせられた。やはり(神戸はリーグの)タイトルを取ったことがない。この1年かけてやってきたことが実れば、それに越したことはない。そこが夢なんだと気付いた」と、戴冠への渇望を口にした。

 現在、2位と勝ち点2差で首位に立つ神戸は12日、アウェーの埼玉スタジアムで3位浦和レッズと対戦する。(有島弘記)

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