「変わる部分と変わらない部分を楽しんで」早くも「ひな人形商戦」スタート キーワードは「コンパクト」と「木目調」

まだ11月が始まったばかりですが、実はもう、3月の桃の節句に向け「ひな人形商戦」がスタートしています。トレンドは、時代の変化に合わせた新たなひな人形、キーワードは「コンパクト」と「木目調」です。

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<滝澤悠希キャスター>
「蒔絵をあしらい、ぼんぼりを飾った伝統的なひな人形もあれば、金髪の人形もあります。早くも、ひな人形商戦が始まっています」

1953年創業、静岡市の「人形のみやひで」です。ひな人形などを扱う専門店の多くは、夏場の間、仕入れなどのため休業していて、この店は11月1日から、今シーズンの営業をスタートしました。

<滝澤悠希キャスター>
「もうひな人形商戦なんですね」

<人形のみやひで 静岡店 鈴木美彦さん>
「飾られる時期もあるが、11月が各ひな人形屋さんが始まる時期で、いまが一番商品が豊富な季節」

ひな人形というと階段状の飾りをイメージする人も多いと思いますが、いまのトレンドは…。

<人形のみやひで 静岡店 鈴木美彦さん>
「こちら木目を基調とした、なおかつコンパクトサイズのおひな様や五月人形が大変人気」

主力商品は、小さなサイズで洋室にもなじみやすい木の風合いを生かした平飾りのひな人形。価格帯は6~15万円ほどです。

背景にあるのが、住宅需要の変化。全国の住宅の推移を見ると、核家族化などに伴って戸建て住宅の数が減っている一方で、マンションやアパートといった共同住宅に住む人が増えています。

住宅の小規模化に伴い、小さな部屋でも置きやすい、コンパクトなひな人形の需要が高まっているのです。

<来店客>
「びっくりするくらいコンパクトになっていて、逆に驚いた。飾りやすいし、手を出しやすいのでありがたい」

さらに、こんな商品も!コロナ禍の自粛生活で「ペットブーム」が到来して以来、動物用のひな人形も人気に!丸みを帯びたかわいらしいデザインです。

<人形のみやひで 静岡店 鈴木美彦さん>
「(ひな人形は)何百年も続いている物だが、変わる部分と変わらない部分が両方あるので、そこの違いを醍醐味として楽しんでほしい」

ひとつひとつ手作業で作られる伝統工芸品のひな人形。子どもの健康を願う変わらぬ思いが込められる一方で、時代に合わせて進化を続けています。

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