●「子ども笑顔に」
手品愛好者の南野康男さん(75)=能美市高坂町=が13~27日、台湾を訪れて各地の小学校や幼稚園でマジックショーを開く。4年前に手品公演で現地を巡った際に好評を得たためで、新型コロナ禍を経て活動の輪を再び広げる。「子どもの笑顔が元気をもらえる」と手品を通じた日台の草の根交流に胸を膨らませている。
南野さんは会社員時代に趣味で手品を始め、キャリアは16年。県内で活動するマジシャンイーグルズ会長を務め、寺井地区公民館などでマジック教室を開催して門下生を指導している。
2019年11月には同会員の蔵谷和夫さん(76)=金沢市御供田町=の誘いを受けて初めて訪台。学校で公演に臨んだところ、軽妙な演技がうけて現地メディアに取り上げられるなど人気を集めた。
手品を満喫した子どもたちからの「また手品の続きが見たい」との期待の声に応えようと、現地の知人を通じて受け入れ先を募集した結果、台湾西部の彰化(しょうか)県の小学校など16施設での公演が決まった。
全て自費で滞在し、ボランティアでの公演となる南野さん。手品公演に向け、真っ白な紙からアニメキャラクターが浮かび上がる「印刷機」、扇子を振って花吹雪を舞い上がらせる「落花の舞」、金属製の複数の輪をつなげる「リング」の練習に励んでいる。
蔵谷さんも9月に訪台し、12月にかけて台湾南部の屏東(ピンドン)などで公演を重ねている。南野さんは一足先に現地で交流を広げる手品仲間に刺激を受けているといい「台湾の言葉を勉強して、しっかり準備したい。たくさんの子どもに喜んでもらいたい」と意気込んだ。