社長ありがとう~…通販「夢グループ」の2人が出演の大野市PR動画が話題 福島出身の社長が協力した理由とは

大野市と夢グループが連携して制作したPR動画の一場面=福井県の大野市役所

 「安~い。社長、ありがとう」などテレビ番組でユーモラスに商品を紹介する通信販売などを手がける「夢グループ」(本社東京)と福井県大野市がコラボし、市のPR動画を制作した。同社の社長と所属歌手が「(大野の観光地は)どれもこれもすご~い。行き先が決められな~い」「(産業団地が)安~い。私も買いた~い」などと市の魅力をPRする掛け合いが話題だ。市はコミカルな動画が知名度アップにつながると期待している。

 同社は通販や芸能プロダクション事業を展開。テレビでは石田重廣社長が「シーデー(CD)」など独特の話し方で商品を説明し、所属歌手の保科有里さんが「安くして~」などと応じる通販番組でおなじみ。

 大野市は、市富田産業団地や大野の魅力を発信したいと、市産業政策課主査の藤田託也さん(39)が6月に同社に依頼したところ、石田社長は「ふるさとの福島市と同じ、のどかな大野の良さを全国に広めたい」と快諾した。同社が自治体PRに協力するのは大野市が初めてという。

 動画は、天空の城や美しい星空、道の駅、恐竜などの魅力を伝える「越前おおのブランド編」と、ふるさと納税の仕組みや大野市の返礼品を説明する「ふるさと納税編」、市富田産業団地を「絶賛分譲中」とPRする「企業誘致編」の3本。石田社長が歌を歌ったり、保科さんが「すっごいですね」と応じたりとバラエティーに富む。9月27日~10月11日に順次、市と同社の公式ユーチューブで公開され、動画3本の合計再生回数は7万回を超えた。

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 市は「大野の魅力が楽しく伝わる動画に仕上がり、市民や企業からの評判は上々。動画を通じて大野のことを(全国に)知ってもらえれば」(藤田主査)と期待。市は産業団地を企業に売り込む際に動画を活用し、市内の事業者にも市外企業との交流時に利用するよう呼びかけている。石田社長は「自治体のPRに関わることができ、見ている人を笑顔にすることをモットーに番組制作してきたことが認められた思い」とし、今後は「大野の品物を番組で取り上げ、大野を訪れてみたい」と話している。

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 市は動画を元に作ったショート動画で、民放の見逃し配信サイト「TVer」などでの広告展開を検討している。

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