県内で紅葉シーズンが始まり、木々の葉が赤や黄に染まり出した。今秋は9月以降も暑さが長引いた影響で、平年より色づきが遅れている所が多い。各地の名所はほとんどが今月半ばから本格的な見頃を迎える。寒暖差の大きい日が続けば色味が増すため、今後の天気次第では鮮やかな秋の風景が楽しめそうだ。
別府市の城島高原パークは1日、イチョウの葉が緑から明るい黄色へと変わり始めていた。これから落ち葉が増え、次第に地面を覆うという。モミジは半分ほどの葉が赤みを帯びている。広報担当者は「秋の高原で自然を感じてほしい」とアピールした。
気象情報会社ウェザーニューズ(千葉市)によると、9月が記録的な高温だったため全国的に紅葉のスタートが遅れた。九州は10月から、放射冷却などで昼と夜の寒暖差が大きくなり、色づきが進み出した。順調にいけば見頃は平年並みになると予想している。
標高や気温の違いもあり、県内の現状はさまざま。
中津市の中津耶馬渓観光協会によると、耶馬渓ダム記念公園「渓石園」や景勝地の猿飛千壺峡(さるとびせんつぼきょう)は見頃になったものの、有名な深耶馬渓の「一目八景」はまだ色づき始めたところ。協会は「暖かい日が続いたので遅くなっている」と説明する。
九重町の名所、九酔渓は平年とほぼ同じ時期にピークを迎えた。渓谷を彩るモミジやカツラが観光客の目を楽しませている。九重“夢”大吊橋観光案内所は「天気が良ければ、この1、2週間が一番きれいに見られる」と話した。