万博2800万人の移動支えるか、大阪府がライドシェア検討

大阪府は11月1日、一般ドライバーが有償で乗客を運ぶ「ライドシェア導入検討プロジェクトチーム」を設置。約2800万人の来場者を見込む『大阪・関西万博』を見据え、移動手段の確保を図るという。

会場建設費の増額にかかる大阪府・市の対応方針が話された『2025年大阪・関西万博推進本部 第6回会議』(11月1日・大阪府庁)

同チームは、府と市を合わせた部長クラス15人で構成。多くの来場者が見込まれる2025年万博でのライドシェア導入に向けた調査や制度設計、国との調整、有識者会議を運営する。

1日の定例会見で吉村洋文知事は、「国内外から来られた方たちは万博会場で終わらず、買い物や宿泊、飲食、エンタテインメントなどに消費をして、経済効果になる。万博をきっかけにより便利な移動手段を追求したい」と説明。

同チームでは今後、11月中に第1回目の有識者会議を開催し、意見聴取や安全対策、やるべきことなどを議論し、2024年秋ごろから万博終了まで約1年間限定の導入計画で年内に素案が作られ、国との調整に入っていく。

一方で、訪日外国人に向けたナイトタイムエコノミーへの対応について、地下鉄の終電延長を検討したこともある大阪府。2020年1月に大阪メトロ御堂筋線で、終電を2時間延長したことによる経済効果を調査している。

しかし、2日間の実証実験を予定していたものの新型コロナの影響で2日目は中止。その後、実験が再開されることはなかった。

横山英幸市長に訊ねると、「中央線(万博会場の夢洲に延伸される大阪メトロ)の運送力向上の議論はあるが、期間中の終電延長などは議論に上がっていない。全線で終電延長について把握はしていない」と回答。万博開催中において、鉄道の終電延長や深夜運行などは予定していないようだ。

取材・文・写真/岡田由佳子

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