平戸 春日集落の棚田を彩る光 世界文化遺産にLEDライト7000個

棚田を彩るイルミネーション=平戸市春日町

 世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の関連遺産の一つ、平戸市春日町の春日集落で棚田を彩るイルミネーションイベント「春日の祈り」が1日夕、始まった。30日まで。
 潜伏キリシタンが信仰を続けた春日集落は、当時からほぼ景観が変わらず、禁教時代の暮らしをしのばせる。イベントは世界文化遺産がある平戸を市内外に発信しようと2018年から開催している。
 事前に集落住民が草刈りをして環境整備。県立大佐世保校の学生らが、棚田のあぜや害獣侵入防止柵などに発光ダイオード(LED)ライト約7千個を設置した。
 LEDライトは小型の太陽光パネルを備え、日没後の約4時間、自動点灯。約15分おきに青、ピンクなどに色が変化する。暗くなると、明かりで縁取られた棚田の景観に、来場者が「うわー、すごい」などと歓声を上げた。
 市はイベント期間中、集落案内所「かたりな」の開所時間を午後7時半まで延長。禁教時代の信仰儀式で主祭神として受け継がれた「納戸神」を特別展示している。

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