75歳以上の6割が困難 マイナ保険証カードリーダー操作 長崎県保険医協調査

 長崎県保険医協会の本田孝也会長は2日、高齢者を対象にした「マイナ保険証」を読み取る顔認証付きカードリーダー操作の実態調査結果を公表。約6割が1人では操作を完了できなかったという。
 調査は本田会長が院長を務める長崎市内の医療機関で実施。75歳以上の100人に操作を呼びかけたところ、22人はマイナンバーカードを持っていなかった。残る78人のうち、援助を受けて操作を完了できたのは28人、操作が不可能だったのは18人だった。
 顔認証のエラーで読み取りが完了できなかった人も5人いた。1人で操作を完了できたのは20人にとどまった。不可能の理由は、高齢や認知症、視覚障害などという。
 このほか同協会が会員を対象とした10月の調査では、回答者の62%が「顔認証ができなかったことがある」と答えた。主な要因は機械の認証エラーや患者の操作ミスという。
 政府は従来の保険証を来秋に廃止し、マイナンバーカードに健康保険証の機能を持たせたマイナ保険証に一本化する方針だが、利用は低迷している。本田会長は「高齢者にとって操作が難しいのは明らか。このまま従来の保険証を廃止すると現場は混乱する。今後も廃止の延期を訴えていきたい」と話した。

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