コンサート客の道案内や雪かき…アーティストからも感謝の声 福井県の「鯖江おせっ会」が全国アワード大賞候補

盲導犬を連れた人たちを飲食店に案内した鯖江おせっ会もてなし隊代表の上嶋睦美さん(左)=2023年5月、福井県鯖江市内

 福井県鯖江市のボランティア団体「鯖江おせっ会もてなし隊」が、民間会社主催で相手の願いに沿ったおせっかいをたたえ合う祭典「GOODおせっかいアワード2023」の大賞候補に選ばれた。代表の上嶋睦美さん(62)らがJR鯖江駅周辺でコンサート客の道案内や歩道の除雪などを続け、感謝の声と交流が広がった体験ストーリーが評価された。11月4日、島根県出雲市で大賞審査と授賞式が行われ、上嶋さんが活動発表する。

 地域で健康づくりをサポートするコミュニティナースの育成、普及を図るコミュニティナースカンパニー(島根県)がアステラス製薬、ロート製薬と初開催。9月に全国から「GOODおせっかい」の体験ストーリーを募集した。200件を超える応募があり、鯖江おせっ会など5組が大賞にノミネートされた。

 鯖江おせっ会は市民有志で2017年に発足した。会員は現在35人。サンドーム福井でのコンサートのたびに鯖江駅周辺に立ち、来場者に飲食や休憩、宿泊できる場所を案内。歩道の除雪やライトアップを行い、来場者だけでなく、出演アーティストからも感謝の声が寄せられている。

 上嶋さんは、発足前から鯖江駅前で車いす利用者や松葉づえを使う人らの手助けを続け、駅前の安全とボランティア仲間増につながった。大賞ノミネートを控えめに喜び、GOODおせっかいアワードについては「私たちの会と名前も考え方も同じで驚いた。活動を知ってもらい、全国のおせっかい仲間と交流したい」と前向きにとらえる。

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 審査は、おせっかいの創意工夫や相手、周囲の人にどんな良い影響を与えたかなどが判断基準となる。大賞はアワード当日の会場とオンラインの投票により決まる。上嶋さんは「来年3月の北陸新幹線県内開業に向けて『鯖江に来たい』『おせっ会に会いたい』と思ってもらえるとうれしい。これを機にGOODおせっかいが県内に広がっていけば」と話している。

★「GOODおせっかい」の定義★

 ▽おせっかいを焼く相手の本当の願いや思いに気付き、後押しした

 ▽おせっかいを焼いた相手や周りの人、おせっかいした本人の人生が輝いた

 ▽おせっかいに触れた人々の心が躍り、自分なりの新たなアクションが生まれた

 (主催者ホームページなどより)

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