富山一V5、花園切符 合同チームに51―10 全国高校ラグビー県大会

ハットトリックを決めた富山一の宮下(右)=魚津市の魚津桃山運動公園

 第103回全国高校ラグビー県大会最終日(3日・魚津市の魚津桃山運動公園)決勝が行われ、富山一が51―10で砺波、砺波工、高岡一、龍谷富山の合同チームに快勝し、5年連続16度目の優勝を果たした。富山一は12月27日に花園ラグビー場(東大阪市)で開幕する全国大会に出場する。花園切符は15度目(5年連続)で、14度出場の富山工を抜き県内最多となった。

 富山一は前半8分、合同チームに先制点を許したが、わずか2分後に長谷川登夢(3年)がトライを決めてすぐさま反撃。強気に攻め続け、6選手が計9トライを決めた。

 林昂慶監督は「キックを効果的に使い、トライを多く決められたのは良かった」と手応えを語った。花園に向けてディフェンス強化を課題に挙げ「全国の強豪に挑みたい」と話した。川原田蒼士主将(3年)は「チーム目標の『花園で1勝』を達成できるよう頑張りたい」と意気込んだ。

  ●宮下ハットトリック

 俊足を誇る富山一の宮下青(3年)がチーム最多の3トライでハットトリックを達成した。

 前半15分、パスを受けると、左サイドを駆け上がり、逆転のトライを決めた。わずか3分後にもほぼ同じ展開で再びトライ。後半19分には相手に足をつかまれながら飛び込み、ボールをねじ込んだ。

 宮下は公式戦でのハットトリックは初。右手首には、欠場した親友の開保津璃樹(3年)から贈られた「フェラーリ」「ハットトリック」と書かれたテーピングを巻き「璃樹の分も頑張ろうと気合が入った」。

 昨年の花園は途中出場でノートライだった。「花園での1勝を目指す。足を生かし活躍したい」と力を込めた。

  ●最後まで一つに

 初の決勝進出を果たした合同チームは、花園切符を逃したが、選手らは「最後まで一つになって戦えた」と仲間への感謝の気持ちで胸をいっぱいにした。全得点を決めた荒谷武蔵(砺波工3年)は「最高のチームでプレーできた」と声を詰まらせた。前半8分、ゴールライン前の混戦から抜け出して先制のトライとゴールキックを決め、後半1分にもキックで3点を追加した。

 合同チームは全体練習の確保が難しいハンデもあったが、砺波のグラウンドなどに集まり、練習を重ねてきた。中谷京主将(砺波3年)は「ワンチームで戦えた」と充実感を語り、U17日本代表の宮川侑大(砺波2年)は「来年はリベンジしたい」と雪辱を誓った。

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