図書館が妊婦さんに本届けます ママ目線の新サービス、職員の出産経験がもとに 明石

「産後に読み聞かせる絵本を想像するのも楽しいと思う」と話す山口詩織さん=あかし市民図書館

 明石市立図書館が先月から、市内の妊婦に郵送で本を貸し出すサービス「らくママ便」を始めた。妊娠中で来館しづらい時期にも読書を楽しんでもらおうと、出産を経験した職員らの意見を参考にしたサービス。担当者は「重い本を持って帰らなくていいので活用してほしい」と話している。(谷川直生)

 市立図書館には、既に視覚障害者や来館が困難な身体障害者向けの郵送サービスがあり、誰もが読書を楽しめる環境を目指し、市本のまち推進課の発案で対象を妊婦にも拡大した。

 あかし市民図書館と西部図書館で実施し、市内在住の母子健康手帳を交付された妊婦が利用できる。月に1度、15冊まで貸し出し可能で、蔵書検索で本を探し、電話やメールで申し込むと無料で郵送される。

 あかし市民図書館フロアマネジャーの山口詩織さん(33)は、ママ目線からサービスの拡充に向けて取り組んだ一人。自身が妊娠中、小説や手芸の本のほか、産後のためにわらべ歌や手遊びの本などを借りると、重さは約5キロにもなった。「子ども向けの本は特にカラー印刷が多いので重くなる。持って帰るのが大変だった」と振り返る。

 サービスは10月に開始し、14人が利用しているという。山口さんは「図書館には子育ての本や名前事典など産後に役立つ本もそろっている。妊娠中も読書を楽しんでもらえたら」と話す。

 事前に図書館利用者登録などが必要。貸出期間は1カ月で、返却は従来の返却場所へ持参するか郵送(利用者負担)で行う。

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