「ベストを尽くした敗戦」 渾身のPKストップも準優勝…西川周作は前を向く 「皆の力がなければ…」

[写真:©超ワールドサッカー]

浦和レッズのGK西川周作。2023JリーグYBCルヴァンカップ準優勝を振り返った。

4日、ルヴァン杯決勝戦が国立競技場で行われ、浦和レッズは大会初優勝、クラブ史上初タイトルを目指したアビスパ福岡に1-2と敗れて準優勝に。アジア制覇に続くタイトル獲得、また7年ぶりのルヴァン杯制覇はならなかった。

前半で2失点を喫した浦和。守護神・西川は59分、決められれば3点ビハインドとなる絶体絶命の状況で渾身のPKストップ。ここから10分足らずで明本のゴールが決まって1点差としたが、あと一歩、福岡に及ばなかった印象だ。

西川は試合後、「相手(福岡)にもスキがあるな、という印象が前半からありました。ただ、最終ラインの背後を狙ったりという、相手が嫌がることを数多くできなかった感じです。自分たちのペースに持っていけなかった」と悔しがる。

「先に失点したとしても、僕たちには確固たるスタイルがあるし、いつも通りにできていれば…と思います。メンタル面で負けていたとは決して思わないです」

一方で、福岡に苦しめられた感覚も強い様子。「立ち上がりは(浦和が)ボール保持が難しかったです。相手は前からプレッシャーをかけてきますし、一番気を付けていた紺野選手から先制点を許してしまいました。2列目から走り込んだ前選手のマークに付くことも難しかったと思います」

福岡の先制点は5分。右サイドを抜け出した紺野がボックス右まで侵入し、鋭いフェイントで浦和の荻原を翻弄して抜き切る前にクロス。浦和DF陣の視界の外から全速力で走り込んだ前が勢いそのままに合わせてネットを突き刺した。

2点ビハインドから流れを引き寄せた自身のPKストップについては「相手にとって試合を終わらせるチャンスでした。余計なことを考えず、ただただシュートストップだけを考えました。落ち着いて対峙できたと思います」と振り返る。

「あのPKを止めることで『必ずチャンスが巡ってくる』『必ず1点は取れる』という思いがありました。止めれたのは、蹴る前に自分の間合いが作れたから。(キッカー)山岸選手の表情を見たりして、最後は分析通りでした」

キャプテンを務める37歳の守護神は試合を総括し、「決勝ならではの難しさがあったと思う。出場した選手にとって間違いなく良い経験になったと思うし、悔しさを次に繋げれば、今日の敗戦も無駄ではなかったと言える日が来る」と、最後まで諦めず走り抜いた味方のフィールドプレーヤーを称えた。

また、今大会を振り返り、「グループステージから長くやってきて、準決勝も横浜F・マリノスさん相手に逆転で勝って…皆の力がなければ決勝まで来れなかったと思うし、今日の敗戦もベストを尽くした上での敗戦と言い切ることができます。若い選手は今日経験したこと、感じたことを、浦和の一員として責任を持って次に繋げて欲しいです」と語った。

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