阪神とオリックス、歴史的「死闘」日本Sは第7戦へ 神戸、大阪23日同時パレードは「過去最大規模」に

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 59年ぶりの関西対決となったプロ野球日本シリーズは、阪神タイガース、オリックス・バファローズともに3勝3敗で、5日の第7戦にもつれこんだ。11月23日には神戸、大阪で両チームの同時パレードが予定されており、日本シリーズでの歴史的な「死闘」はパレードでのファンの熱狂ぶりに拍車をかけそうだ。

 「とんでもない人混みになるんじゃないか。神戸と大阪をはしごする人もいるはず」。そう熱く語るのは4日、甲子園球場でのパブリックビューイングに参加した阪神ファンの会社員(31)=大阪市。自身は大阪を見に行く予定だが、「家でおにぎりを握って、朝イチから観覧場所を探しに行こうかと考えています」。

 阪神が神戸、大阪で同日にパレードするのは、18年ぶりにリーグ制覇を果たした2003年以来。20年前の神戸では雨中、約25万人のファンが詰めかけた。4台のフロート車に分乗した選手ら約60人が大丸神戸店前を出発し、約1.3キロを約30分かけて巡った。

 当時は兵庫県や神戸市のほか、大阪府、大阪市もパレード誘致を表明。甲子園球場のおひざ元・西宮市も尼崎市、芦屋市とともにラブコールを送るなど激しい「誘致合戦」が展開されたが、最終的に神戸と大阪・御堂筋の2カ所での同日開催となった。

 一方、オリックスは1995年のリーグ優勝、翌年のリーグ2連覇、日本一を祝い、2年続けて神戸市内をパレードした。

 阪神・淡路大震災の発生から約10カ月後に行われた95年。当時、神戸に本拠地を置いたブルーウェーブナインは「がんばろうKOBE」を合言葉に被災地を勇気づけた。パレードではオープンカーに乗った故仰木彬監督やイチロー選手らがフラワーロードを出発し、大丸神戸店前を経由してハーバーランドへ。震災の傷痕が残る被災地で約15万人の市民らが歓声を上げた。翌年の日本一パレードにも約18万人が駆け付けた。

 そして、2023年シーズン。阪神が18年ぶりにリーグ優勝を遂げると、オリックスもリーグ3連覇。関西の球団がセ、パ両リーグを同時に制したのは、64年の阪神と南海以来59年ぶりだった。

 今回のパレードは兵庫県と大阪府などでつくる実行委員会が企画した。同じ都市でセ・パの覇者が同日にパレードするのは異例。しかも、日本シリーズは互いに一歩も引かず「次に勝った方」が日本一になる熱い展開に。

 神戸パレードは23日午前11時に阪神、午後2時にオリックスが登場。三宮・東遊園地前をスタートする。

 兵庫県の斎藤元彦知事は「過去最大規模のパレードになるかと思っている。みんなでお祝いをして、兵庫、関西を元気にしていくことにつなげたい」と話している。(大原篤也、金 慶順、竜門和諒)

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