〈カターレ富山・J3〉今季引退の高橋2アシスト 背番号継承、松岡にお膳立て

ハイタッチして喜ぶ松岡(左)と高橋=沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム

  ●「勝つしかない」

 明治安田生命J3第34節(4日)カターレ富山がFC琉球を3―1で下した。黒子として勝利を引き寄せたのは、今季限りでの現役引退を表明しているFW高橋駿太(射水市出身)。この試合で2アシストを記録し、J2復帰へチームを着実に前進させた。「僕たちは勝つしかないので」。34歳のベテランが泥臭く体を張り、意地を見せた。

 試合が動いたのは前半16分。高橋がドリブルで相手をかわし、FW松岡大智(滑川市出身)につないで先制点をお膳立て。2点リードの後半10分にはMF伊藤拓巳に落ち着いてパスを送り、伊藤の2試合連続ゴールを呼び込んだ。

 いずれも自らゴールを狙えるシーンだった。パスを出したのは確実に勝利をつかむため。「FWなので自分で行きたいが、チームとして勝つのが大事。判断は間違ってなかった」と胸を張った。

 10月上旬、9試合を残して「自分の中でもう一回ギアを上げる」と今季限りでの引退を発表した。今季、高橋から背番号8を受け継いだ24歳の松岡は「一番お世話になっている駿太さんとの形でゴールを決められたことがうれしい」と躍動し、高橋の決意が後輩の発奮も促している。

 ハードワークする富山のサッカーを攻守で引っ張る高橋。「今すごくチームのために頑張れていると思う。しびれる残り4節、思い切ってやりたい」。並々ならぬ覚悟をにじませた。

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