V長崎が競り勝つ 仙台に2-1 プレーオフ進出へ望み サッカーJ2

【V長崎―仙台】後半ロスタイム、V長崎のフアンマが勝ち越しゴールを決めて喜ぶ=諫早市、トランスコスモススタジアム長崎

 明治安田J2第41節第2日(4日・トランスコスモススタジアム長崎ほか=6試合)V・ファーレン長崎は仙台に2-1で競り勝ち、最終節にJ1昇格プレーオフ進出の望みをつないだ。通算17勝11分け13敗の勝ち点62で、前節終了時点の8位を維持した。
 V長崎は前半16分、松澤がセンターライン付近からペナルティーエリア内まで単独突破。相手の守備に遭うも、こぼれ球に反応したフアンマが左足シュートを左隅に決めた。後半16分に仙台のミドルシュートで追いつかれたが、ロスタイムに決勝ゴール。高橋の左クロスをエジガルジュニオが頭で折り返し、最後はフアンマが頭でねじ込んだ。
 最終節を残して暫定5位甲府、同6位山形と8位V長崎の勝ち点差は2。通算25ゴールとしたフアンマは得点ランキング首位を独走している。2位清水、3位磐田はそれぞれ快勝し、J1自動昇格の行方は最終節に持ち越された。金沢は最下位でのJ3降格が決まり、大宮も降格圏の21位が確定した。
 第41節最終日は5日、各地で4試合を実施する。最終節は12日、各地で11試合を行い、V長崎は午後2時から千葉市のフクダ電子アリーナで暫定7位の千葉と対戦する。

◎フアンマ 劇的決勝弾
 V・ファーレン長崎の窮地を救ったのは、やはりフアンマだった。1-1の後半ロスタイム。左クロスからエジガルジュニオが折り返したボールを頭で捉え、劇的決勝弾。「みんなの気持ちが詰まったゴールだ」。スペイン人FWは歓喜の瞬間を笑顔でそう表現した。
 勝たなければJ1昇格プレーオフ(3~6位)進出の望みが絶たれる状況だった。V長崎は前半にフアンマのゴールで先制したが、ボールの保持率で仙台に上回られ、後半に同点に追いつかれた。その後は押し込まれ、チャンスは一度だけ。ロスタイム4分が表示されて、希望はしぼみ始めていた。
 ただ、選手も、大声援を送るサポーターも諦めていなかった。その思いがフアンマのヘディングシュートを呼んだ。GKの位置は見えていなかったが「強く当てられれば入る」。クロスバーをたたき、落ちたボールがわずかにゴールラインを越えた。スタジアムは割れんばかりの大歓声に包まれ、その中心で背番号「9」は両手を広げて歓喜の表情を浮かべた。
 第38節・藤枝戦で今季23点目を決め、クラブのシーズン最多得点を塗り替えた。その後は2試合無得点。勝利からも見放されていたが、ここ一番でしっかりと結果を出し、最終戦へ望みをつなぐ勝ち点3を手繰り寄せた。
 1試合を残して8位。厳しい状況に変わりはないが、最終節で千葉に勝てば道を切り開ける可能性は残された。フアンマは「千葉戦でも一緒に戦って、パワーを与えてほしい」とサポーターに強く呼びかける。V長崎に関わる全員が一丸となり、プレーオフに進出する。可能性を信じて、敵地へ乗り込む。

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