氷見高の野菜ウニプロジェクト 東京・四谷の高級すし店主、生育環境を確認

薮田海岸で採れたウニを確認する綿貫さん(手前)=氷見市藪田

  ●綿貫さん「海はきれい」 品質向上など継続的に応援

 東京・四谷の高級すし店「後楽寿司 やす秀」店主の綿貫安秀さんは5日、氷見市の薮田海岸や県栽培漁業センターを訪れ、氷見高や県内農家らが取り組むムラサキウニの養殖「ウニとやさいクルプロジェクト」の現場を見学した。綿貫さんは9月からプロジェクトを支援しており、10月には養殖したウニを試食。今後もサポートを続け、品質向上や磯焼けの解消につなげていく。

 プロジェクトでは、藻場が荒れる「磯焼け」を防ぐため氷見高がウニを採取し、有効活用するために養殖している。今年度からは射水市の若者グループ「とやまのめ」の協力で農家から提供されたコマツナやキャベツ、ミニトマトを餌に利用している。

 綿貫さんはウニに関する知識が豊富で、テレビ番組などでも料理の審査員を務める。とやまのめのメンバーのつながりで、協力することになった。10月には餌が違う3種類を試食し、「見た目や大きさ、色について改良が必要」とした。

 5日の視察では薮田海岸のウニが浅瀬にいることや捕獲直後はほどんど中身が入っていないことなどを確認。養殖環境も氷見高教諭の中木康晴さんと共有した。「海はきれいで良いが、餌となる海藻が少なく、味は良くない」と評価し、養殖が不可欠とした。

 今後も定期的に試食や現地視察を続ける考えで「商品化には味や質など多くの改善が必要で、苦労するだろうが良い活動なので応援していきたい」と述べた。

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