介護現場で進む働き方改革 岩手県内、離職率低下に成果

タブレット端末で利用者の介護記録を確認する久慈平荘の職員。業務の省力化につながっている

 岩手県内の介護現場が人材の定着に向けて働き方改革を進めている。情報通信技術(ICT)で利用者の体調を管理して業務を省力化したり、職員の提案を生かして働きやすさを高め、離職率低下につなげている。人手不足で休廃止に追い込まれる事業所もある中、魅力ある職場づくりへ工夫を凝らす。

 洋野町大野の特別養護老人ホーム久慈平荘では、職員がタブレット端末を手に作業に当たる。県の補助金を活用して2020年度にタブレット端末やWi-Fi環境を整備した。利用者の血圧、体温、酸素濃度を計測すると、介護ソフトに自動で記録される仕組み。

 食事の摂取量や排せつ量なども直接端末に入力でき、メモを取る手間がなくなった。生活相談員の林郷裕吉さん(38)は「記録の負担が減り、利用者に目を向ける時間を長く取れるようになった」と効果を実感する。

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