原敬、岩手公園にモミジ300本寄付の記録 ひ孫が資料を紹介

紅葉で色づく岩手公園。原敬がモミジを寄付したとする資料の記述が見つかった=4日、盛岡市内丸

 盛岡市出身の第19代首相原敬(1856~1921年)が在任中、同市の岩手公園にモミジ300本を寄付したとする資料が見つかった。命日の4日に開かれた追悼会で、ひ孫の岩谷千寿子さん(71)=京都市=が1919(大正8)年の「日誌」の記述を紹介した。寄付は一般的に知られておらず、公園整備の仲介役を担った「平民宰相」の思いは、今も市民に憩いを与え続けている。

 「岩手公園は紅葉たけなわ。首相時代に粋なことをしたものと感心した」。盛岡市の大慈寺で開かれた第103回原敬忌追悼会で、岩谷さんが約150人に語りかけた。

 記載されていたのは、執事が書いた原家の日誌。原敬記念館(荒川享司館長)の田崎農巳主任学芸員によると、同年4月19日付に「内田植木ヤハ山紅葉岩手公園ニ参百本寄附ノ件ニ付来候 寄附願執事ニテ差出タリ」とあり、植木屋とのやりとりや寄付について記している。

1919年の日誌を見つめる岩谷千寿子さん

 

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