5歳児に虐待疑い報告も両親が面会拒否、どうする? 滋賀で警察・児相が訓練

押し入れから子どもに見立てた人形を見つけ出し、父親役にけがの経緯を確認する児童相談所の職員ら(大津市御陵町・滋賀県警察学校)

 11月の「児童虐待防止推進キャンペーン」に合わせ、児童虐待の疑いがある家庭から子どもを保護する訓練がこのほど、大津市御陵町の滋賀県警察学校であった。県警と県子ども家庭相談センター(児童相談所)から約40人が参加し、安否確認や一時保護の手順を確かめた。

 児相職員は、虐待行為を疑われる保護者が出頭の求めに応じない場合、児童虐待防止法に基づき、立入調査や、裁判所の許可状を得て強制的に入室する「臨検・捜索」ができる。訓練は、5歳男児がけがをしているとの幼稚園からの報告を基に児相が両親に面会を求めたものの、拒否されたため、警察官と共に家庭を訪れる想定で行われた。

 児相職員と警察官は6、7人の班に分かれ、警察学校の模擬家屋で両親役に臨検許可状を提示し、声を荒らげて捜索を拒む両親を繰り返し説得。押し入れから男児に見立てた人形を見つけ、けがしていることを確認すると、速やかに一時保護した。

 任意の立入調査を求める場合や、開錠が必要になる場合の訓練も行われた。県警少年課によると、昨年、虐待事件で検挙されたのは30人(前年比17人増)。また、昨年、虐待の疑いがあるとして県警が児相に通告した子どもの数は1257人(同113人増)で、いずれも過去最多となっている。

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