【日出】日出町大神のストーンペインティングミュージアム「石ころたちの動物園」が、オープンから20年目を迎えた。ストーンペインティング作家の阿部いづみさん(74)と夫の茂直さん(85)が二人三脚で切り盛り。「これからも力が続く限り作品を皆さんに届けていきたい」と意気込んでいる。
ストーンペインティングは、さまざまな形の自然石にアクリル絵の具で彩色するアート。いづみさんは40代半ばで作家としての活動を始め、動物を中心にユニークな作品を多く制作している。
2人は以前、岐阜県で生活していた。いづみさんの作品が大手小売店の人気投票で1位を獲得したことを機に、多くの人に作品を見てもらえる場を設けようと決意。いづみさんの故郷の大分県を移転先に選び2004年、大神に自宅兼ミュージアムを構えた。
海辺が近く、さまざまな形状の石が豊富という。「ここに移り住んで創作活動に没頭できている。とてもいい環境」といづみさん。これまでに約千点を制作した他、教室を開いてストーンペインティングの魅力を伝えている。
茂直さんは館長として、運営面でサポート。「いつの間にか20年を迎えた。大変なこともあったけど、2人でここまでやってこられてよかった」と感慨深げ。
メディアや情報誌に取り上げられることも多く、町の観光スポットとして定着。いづみさんは「さらに多くの人に作品を見てもらい、楽しんでほしい。ここに来たらホッとするような空間にできれば」。これからも石ころたちの力を借りて地域を盛り上げる。