フィギュア坂本花織さん「推し」の高3生、女子ソフトで「28年の五輪代表」誓う アジア杯V貢献、来春実業団入り

ソフトボール女子のU18アジアカップで優勝に貢献し、個人賞も受賞した北原花菜絵さん=神戸市長田区海運町6、神戸野田高校

 「2028年の五輪出場」を宣言する高校生アスリートが、兵庫にいる。神戸野田高校(神戸市長田区)3年の北原花菜絵(はなえ)選手(17)=明石市。中国で開かれた女子ソフトボールのU18アジアカップで代表入りし、優勝に貢献。来春には実業団への入団も控える。伸び盛りの17歳は「(同高OGでフィギュア女子の)坂本花織さんのように、すごい結果を出しつつも謙虚な選手になりたい」と、憧れの先輩の背中を追い、世界の大舞台を目指している。(勝浦美香)

 北原さんは明石市立沢池小、同野々池中出身。4歳上の兄の影響で小学2年生からソフトボールを始め、高校は女子ソフトの強豪校である神戸野田を選んだ。同高女子ソフト部の特長は「全員が打てるチーム」であること。もともと投手だった北原さんも「二刀流」となるべく打撃の練習に励み、守備では野手としても成長した。

 1年からスタメン入りし、2年時に副主将、3年で主将と、チームを引っ張ってきた。今年5月には、U18アジアカップの日本代表メンバー16人に野手の枠で選ばれた。知らせを聞いた時は「思わず『っしゃー!』って叫んだ」といい、代表チームとして県外で合宿を重ねた後、8月末に中国に渡った。

 大会ではリーグ戦でフィリピン、中国などと対戦し、北原さんは自身の持ち味であるチャンスを逃さない打撃力で勝利に貢献。決勝はチャイニーズタイペイを相手に1-0で制した。出場各チーム1人が受賞する個人賞も、日本代表は北原さんに贈られた。

 さらなる高みを目指し「本当の目標はオリンピックに出ること」と語る北原さん。年齢的にも脂がのってくる2028年ロサンゼルス五輪の種目に、ソフトボールが2大会ぶりに復帰することも決まった。

 そんな北原さんの活躍を見守る1人が、同高OGの五輪メダリスト、坂本花織さん。試合を観戦に訪れるほど、同高女子ソフト部のファンで、中でも「推しメン」に北原さんの名を上げる。偉大な先輩からのエールを受け、北原さんは「坂本さんのように皆に応援される選手になるため、まずは来春の実業団入団に向けて、日々努力です」。夢の輪郭がはっきりと見えてきた。

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